不動産物件の囲い込み

不動産物件の囲い込みについての知識

 

不動産売却で知っておきたい知識のひとつに、不動産業界の風習である「囲い込み」というものがあります。囲い込みされると、「マンションを売りたいのに何ヶ月待っても売れない」そんな状況が起こります。

 

この記事を読んてくれている人の中にも、売りたいのに売れないという状況で悩んでいる人がいるかもしれませんね。そんな人は、運悪く、物件の囲い込みにあっているかもしれません。

 

囲い込みとは

 

 

囲い込みとは?

 

囲い込みとは、不動産物件の売却依頼を受けたのにもかかわらず、他社には紹介せずに自社だけで物件を独り占めしているような状態のことをいいます。

 

 

囲い込みは、マンションを売却したい売主にとっては何のメリットもないことです。
現在では、不動産物件の売却の契約を引き受けた不動産会社が、意図的に物件を独占したり、情報を隠す行為は法律で禁じられています。

 

つまり、違法行為なのです。

 

レインズに登録があっても安心してはダメ

囲い込みの手口は、巧妙なところがあって、実質的な囲い込みというものも存在します。

 

例えば、レインズに登録して他社から問い合わせが入っても、「すでに話が進んでいます」「契約がまとまりそうです」などとウソの理由をつけて断ってしまえば、実質的に囲い込みが成立します。

 

専任媒介・専属専任媒介を結びながらも、物件をレインズに登録しない場合は、不動産流通経営協会(FRK)より、「注意」「戒告」「利用停止」「除名」などの罰則を科せられます。でも、レインズに登録した後に、仕方ない状況として問い合わせを断れば問題になりにくいというのが実情です。

 

専任媒介・専属専任媒介では、不動産物件の営業活動の報告が義務付けられてはいますが、これも言いようでどうにでもなることです。何か月待っても物件が売れないし、問い合わせもほとんど来ないような状態だったら、実質的な囲い込みを疑ってみるのもありかもしれません。

 

では、どうして、不動産業者は囲い込みをするのでしょうか?

 

囲い込みする理由は?

 

不動産業者が物件を囲い込みする理由

不動産業者が物件を囲い込みする理由ですが、不動産の仲介手数料が関係してきます。

 

不動産の仲介取引には、片手取引両手取引というのがあり、悪質な不動産業者は、両手取引をするために不動産物件を囲い込むのです。

 

片手取引と両手取引

片手取引

売主Aさん = 不動産業者A
買主Bさん = 不動産業者B

ふつうの不動産の仲介取引では、売主・買主それぞれに不動産業者がついています。この状態で売買契約が成立することを片手取引といいます。

 

この図だと、売買契約がまとまった場合に、売主Aさんは不動産業者Aに、買主Bさんは不動産業者Bに仲介手数料を払います。

 

両手取引

売主Aさん = 不動産業者C = 買主Bさん

マンション売却の仲介取引において、売主と買主の不動産業者が同じになることがあります。例えば、物件の売却依頼を受けた不動産業者にすでに購入希望者のリストを持っていたというのなケースです。

 

この状態で売買契約が成立することを両手取引といいます。

 

このような状態で、売買契約がまとまった場合に、売主Aさんも買主Bさんも同じ不動産業者Cに仲介手数料を払います。両手取引の場合は、1つの不動産業者が、売主と買主の仲介手数料を両方を手にすることができますよね?

 

つまり、両手取引は、不動産業者にとっては仲介手数料が2倍手に入るわけでとてもオイシイ取引なのです。

 

こう書くと、両手取引が悪いもののように見えますが、「囲い込む」行為が問題なのであって、日本においては両手取引は違法性はありません。

 

両手取引で相場より高く売れるケースもある!

 

例えば、自社で物件の購入希望者のリストをもっているような場合は、直に買い手にアプローチできるので、その結果、両手仲介になります。

 

購入希望者のリストに載るような人は、物件を指定して待っている人わけで、何らかの理由でその物件が欲しいわけです。この場合は、相場より高い希望価格で契約がまとまることが多いです。

 

実際に、私はこの両手仲介で中古マンションを購入時の価格よりも420万円高く売りました!

 

私のマンション売却の実績

 

 

「囲い込む行為」の違法性と損害賠償

最初のほうでも軽く触れましたが、囲い込みという行為は違法行為です。

 

違法行為ですから、囲い込みによる売却の機会損失で売主に損害が生じた場合には、損害賠償義務が生じるケースも出てきます。
ただし、ふつうの人が、囲い込みによる不動産業者の義務不履行や、それによる損失を立証して損害賠償を起こすのは非常に困難です。

 

では、「囲い込みをされているかも?」そんな風に思った場合はどのように対処したらいいのでしょうか?

 

囲い込みされてるかも・・・と思ったら

「囲い込みをされているのかも?」と思ったら、売却活動報告が明確であるかをもう一度振り返ってみましょう。売れない理由の説明があいまいな場合は、なぜ、買い手がつかないのかを突っ込んで聞いてみましょう。

 

注意点としては、売り主の希望で売却希望価格が相場より高過ぎていたり、競合物件に負けて買い手がつかないような場合は囲い込みではありません。囲い込みではありませんが、不動産業者側の営業力は低いかもしれないですね。

 

不動産物件を相場以上で売りたい場合は、不動産業者の営業力がすべてです。

 

囲い込みにしても、不動産業者の営業力が低いにしても、契約満了のタイミングで他の不動産業者に乗り換えるのがおすすめです。

 

まとめ:囲い込みの被害に合わないために

 

不動産業界の風習である「囲い込み」。レインズに登録してくれてるから安心というわけでもありません。不動産業者にとって、両手取引は儲かるのです。

 

もちろん、両手取引が悪いわけではなくて、買主と売主の利益をうまく調整していれば問題はありません。利益のためにウソをついてまで「囲い込む」という行為が問題なのです。

 

囲い込みはマンション売却をすすめたい売主にとっては、機会損失のデメリットでしかありません。売れない状態が続いているなら、別の不動産に相談を持ちかけるのも一つの方法です。